自治体と萌え絵
最近は自治体や企業が俗にいう「萌え絵」をイメージキャラなどに使い、それを見咎めて結局取り下げ、となるケースが見られるように思う。
私の見解を挙げるならば、むしろ萌え絵を使うことを推奨する流れにもう少しだけでも傾いてほしいものである。
何も表現の自由だの、そういう小難しいことを説くつもりは一切ない。
それなりの根拠はある。
まずそもそも、不特定多数の興味を惹くならば、性的なものでないと効果を上げにくいからだ。
無論、興味を惹く方法自体は例を挙げればごまんとあるが、低コストで短期間に、となるともうエロに走らざるを得ないのだ。
例えば、一時期ネットで話題になった三重県志摩市の海女萌えキャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」。
海女自体をPRする方法自体は確かにいくらでも思いつくだろう。
海女がいかに美味しい海産物を見分けられるか、とか海女の歴史、とかいい加減に考えても少しは挙げられる。
ただ、こういう風に挙げても役人の予算と権限と時間で出来ることなんてかなり限られる。
お役所自体が官僚主義そのものなので、絶対に効果が見込めるものでないとGOサインすら出ないだろう。
そうなると、絶対に衆目を惹く、という点で完璧な萌え絵に走らざるを得ない。
工夫次第でどうにかなる、という意見もあるだろうが、高々木っ端役人にそこまでハードルの高いことを要求するのは酷だろう。(ただでさえ日々の業務に忙殺されている方々についつい要求を過大にしてしまうのは、やり過ぎに当たる)
優良なプロモーターに頼む金もコネもない、自分たちでどうにかできる時間も知恵もない、とないない尽くしなので、萌え絵に頼りたくなるのも致し方ないことだ。
それに、本当に若者の時代の到来を願うなら、今後はある程度性的な要素がないと厳しいのでは、と予想している。
インターネットが広まってから、性の低年齢化がより加速している、という事実を鑑みれば若者がいとも容易くエロにアクセスできるようになっている。(普通では思いつきもしないであろう性行為もリンクを辿れば割と簡単に知れる)
そうなると、ネット広告や動画サイトでより性を喚起させる物を見る可能性が高くなる。
こういうものを見慣れた若年層が、一昔前のイケてない古臭い絵柄を見て興味が湧くとも思えない。
若者の興味を惹くためなら、今風で一般的なエロさを持つPRイラストに走るのも仕方ないと言える。
まとめるなら冒頭で書いた通りなのだが、文句を言う側もエロに走らざるを得ないほどなりふり構っていられない状況であることを理解してから、クレームを入れるかを考えてほしい。
ただ不快である、ふさわしくない、だけでは掃除しきれないほど世の中が多様化してきてしまっているのだ。